コラム 日本舞踊

三渓園│観月の会に七々扇流が参加しました!【2018年9月24日】

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横浜の有名な日本庭園といえば『三渓園(さんけいえん)』ではないでしょうか?

その三渓園の中にある和室で日本舞踊を踊る企画を行いました。

実は三渓園と七々扇流に古くからつながりがあるんです!

そんなご縁により横浜市のダンスイベント企画『Dance Dance Dance』の一つとして三渓園で毎年開催される『観月の会(かんげつのかい)』の1日を七々扇流が担当させてもらいました

今日はその三渓園と七々扇流のつながりも含めて、観月の会の報告をしていきたいと思います

Contents

三渓園と七々扇流のつながりとは?

四季折々の変化を見せる横浜の日本庭園『三渓園(さんけいえん)』

まず初めに三渓園とはどういった日本庭園なのか…

三溪園は、神奈川県横浜市中区にある庭園。17.5haの敷地に17棟の日本建築が配置されている。実業家で茶人の原富太郎によって1906年に造園され、現在は公益財団法人三溪園保勝会が運営している。名称の三溪園は原の号である三溪から。ウィキペディア(Wikipedia)

つまり、実業家であり茶人でもある原富太郎または原三渓(はら さんけい)により作られた日本庭園(重要文化財)である。

重要文化財に指定されている『臨春閣(りんしゅんかく)』

四季折々の草木や花と年中人が訪れる横浜で人気の庭園なので、もし行ったことがなければ訪れてみてもいいかもしれませんね。

多くの人が三渓園に訪れる

名称 三渓園
住所 〒231-0824 神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1
電話番号 045-621-0634
公式HP https://sankeien.or.jp/index.html
入園料 大人:700円
子供:200円
※詳しくは公式HPをご覧ください

原三渓氏とのつながり

その三渓園を作られた原三渓氏は横浜を唄にした復興小唄『濱自慢(はまじまん)』の作詞者でもあります。

三渓園の園長 加藤祐三氏のブログにもこう書かれています。

1923(大正12)年の関東大震災により、横浜は壊滅的打撃を受けた。絶望的惨状のなかで立ち上がった55歳の三溪は、その後半生をすべて横浜の復興に傾注する。財界、金融界、政界等の総力を結集する横浜市復興会等を結成、その先頭に立つとともに、復興小唄「濱自慢」を作った。明るく繰り返される「横浜よいところじゃ」が打ちひしがれた横浜市民を勇気づける。  「濱自慢」は春夏秋冬を歌い、四番まである。ちなみに小唄(こうた)とは、端唄(はうた)から出た、粋でさらりとした短い三味線歌曲で、撥(ばち)を使わず爪弾く。震災後には最先端を行く歌曲であった。加藤祐三Blog『月一古典』

その原三渓氏が作詞した『濱自慢(はまじまん)』を作曲したのが『2代目七々扇小橘(ななおうぎこきつ)』だったのです。

横浜で古くから活動している七々扇流(ななおうぎりゅう)は勝海舟(かつかいしゅう)が名付け親ということもあり、何とも歴史を感じますね。

濱自慢(はまじまん)』を作詞、作曲した関係もあり、今回観月の会に1日七々扇流に機会をくださいました

濱自慢(はまじまん)とは?

復興小唄『濱自慢(はまじまん)』

復興小唄としてつくられた『濱自慢(はまじまん)』とは横浜を活気づけるために春夏秋冬を唄っています。

その作曲が『2代目七々扇小橘(ななおうぎこきつ)』とあり、その資料を読み解き現代に振付なおしたのが『4代目七々扇花瑞王(ななおうぎかずおう)』です。

濱自慢(はまじまん)歌詞  

横浜よいところじゃ 太平洋の春霞  
わしが待つ舟 明日着くと 沖の鴎が来て知らす  

横浜よいところじゃ 青葉若葉の街続き  
屏風ヶ浦の朝凪に 富士が目覚めて化粧する  

横浜よいところじゃ 秋の青空時雨もしよが  
濱の男の雄心は 火にも水にも変わりゃせぬ  

横浜よいところじゃ 黄金の港に雪降れば  
白銀載せて積み載せて 千艘万艘の舟が寄る加藤祐三Blog『月一古典』

瑞希
歌詞を見てみても四季折々に加え横浜の有名なスポットがうたわれてますね。

七々扇流としては2代目家元が作曲したものを、4代目家元が資料から読み解き現代へ振付を復活させました。

代を超えて伝えていくことができて、七々扇流一同三渓園の方々にとても感謝しております。

それでは中秋の名月に行われた『観月の会(かんげつのかい)』を見ていきましょう!

観月の会(かんげつのかい)

臨春閣の座敷で踊らせてもらいました

企画 公益財団法人三溪園
共催 Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2018
演出・構成 七々扇流
音響 太陽倶楽部レコーディングス
衣装・メイク 葵総合アート企画
写真 キヨフジスタジオ

三渓園で開催された観月の会は2018年9月21日~25日までの5日間行われました。

演目は、9月21日(金曜)サックス&ピアノで奏でる日本の唄(シャンティドラゴン)、22日(土曜)雅楽(横浜雅楽会)、23日(日曜、秋分の日)箏曲(アトリエ箏こだま)、24日(月曜、振替休日)日本舞踊(七々扇流)、25日(火曜)薩摩琵琶(錦心流中谷派襄水会)である。ほかに23日(日曜、秋分の日)午後、蓮華院において三溪園ボランティアによる「中秋の一日庵 月待ちの茶会」が開かれた。加藤祐三Blog『月一古典』

我々日本舞踊、七々扇流は9月24日を担当させていただきました。

台風の関係もあり、前後は雨も強く降ったりと天候面で心配でしたが、これも2代目家元と原三渓氏の力なのか24日は特に天気も悪くなく素晴らしい観月の会となりました!

プログラム

『俄獅子(にわかじし)』

プログラムは1部と2部に分けて行いました。

古典素踊りや衣装、鬘(かつら)、メイクもありの本格的な構成などでお客様たちに大変ご好評をいただきました!

『菖蒲浴衣(あやめゆかた)』

海外の方も多く終演後、記念撮影会のようになってましたね。

今回は三渓園で開催されたということで、やはりメインの楽曲は『濱自慢(はまじまん)』。

1部2部共に今回のテーマ『濱自慢(はまじまん)』を踊りました

1部2部両方ともラストを飾るのは永野桃勢さん一同、端唄永野流による生演奏で『濱自慢(はまじまん)』。

私は今回は姉である花助と『団子売り(だんごうり)』を踊りました。

姉である花助と『団子売り(だんごうり)』を踊りました

『団子売り(だんごうり)』では月を唄ってる場面もあるので観月の会にピッタリ

また4代目家元は平家物語の那須与一を題材にとった長唄の新曲『扇子の的(おうぎのまと)』を踊りました。

4代目家元七々扇花瑞王による『扇子の的』

那須与一が弓を射る場面もある『扇子の的(おうぎのまと)』

その他、場面転換の合間をつなぐMCを務めさせていただき、大変貴重な経験を積ませてもらいました。

演目の合間に解説をさせていただきました!

今回の会場であった臨春閣(りんしゅんかく)は工事に入るようなので、当分は拝見できないとのことでまさに平成最後の大舞台といったとても素晴らしい思い出です。

最後に…

長い時間を経て『濱自慢(はまじまん)』からつながった今回の企画

古きつながりから今回このような会を開くことができて、七々扇流一同本当にご縁というものに感謝しております。

三渓園のスタッフの方々や観に来てくださったお客様たちに喜んでいただけてとても良かったです。

日本の伝統芸能が廃れないように日々、発信して皆様にみてもらえるように努力を一層していかなくてはならないんだと感じました。

また古き縁よりこのような会ができたということもあり、色々な方とのご縁を大事にしたいと思います。

三渓園のスタッフの皆様、この会に携わってくださった皆様、そしてお客様の皆様、七々扇流一同より厚く御礼申し上げます

 

 

 

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