平成もまさに終わろうとしているさなか、今も昔も子供が習い事へ通うというのは変わらない事実かもしれません。
現代では本当に多くの選択肢から習い事を決めることができるので、その豊かさゆえに迷うことも多いようです。
今回は『もし子供が日本舞踊を習ったら』私の実体験を交えつつ話していきたいと思います。
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習い事としての日本舞踊の今と昔
昔といっても私の話す昔は大体30年ほど前の昭和が終わりかけているころの話になります。
まだサッカーもJリーグが発足するかしないかくらいの時代。
周りの同世代の子供たちが習っていた習い事と言えば、そろばん教室や学習塾、その他にはピアノ、体操、水泳、剣道、柔道、などと思い返せば今とあまり変わらない感じでした。
そんな中、私は父親が日本舞踊の家元であるし、おばちゃんこと3代目家元もまだ健在だったため、物心つく前から日本舞踊がある日常でした。
とはいっても日本舞踊だけを習っていたわけではなく、ピアノやスキー、水泳など普通の子供らしい習い事に通っていた記憶があります。
ともすると習い事の今と昔を思い出して見ると、それほど違いはないのではないか?と感じます。
私が子供頃からあるピアノや体操、水泳などはもちろん今も一般的な習い事ではあるし、女の子でいえばバレエ教室や器械体操なども当時からありました。
でも圧倒的に昔のほうが日本舞踊の世界では子供たちが多く習っていた気がします。
今と昔の違いは子供の数が少なくなったことも原因の一つだとは思いますが、日本舞踊を目にする機会が圧倒的に減ったことが一番なのかなぁとも感じています。
それでも子供たちに日本舞踊を教えていると、『今も昔も変わらないんだなぁ』と当時習っていた時の感情がこみあげてくるのです。
昔と今を比べてみると…
いきなり結論から入りますが、習い事としての日本舞踊としていえば『全く変わりません!』。
どんな習い事でもそうですが、基本をマスターして、その上に積み重ねることで新しい技術や曲、などを習得していきます。
その点から見れば日本舞踊の今も昔も変わらないと感じています。
私のお流儀『七々扇流(ななおうぎりゅう)』では子供の手ほどきの曲は決まっています。
日本舞踊の子供の手ほどきの曲とは?
歌舞伎踊り(かぶきおどり)
まずは『歌舞伎踊り(かぶきおどり)』から習い始めます。
お扇子を開いた状態で足踏みでリズム感を、そして回ったり歩いたりと基礎中の基礎が詰め込まれた踊りとなります。
この曲で邦楽のリズムに慣れていくんですけども、この曲を習うくらいの子供頃なんてきっと邦楽も洋楽も変わらなく素直に吸収しちゃうんでしょうね!
『歌舞伎踊り(かぶきおどり)』は『七つになる子(ななつになるこ)』と呼ばれることもあります。
ひょっとしたらどこかで聞いたことがあるかもしれませんよ?
関の小万(せきのこまん)
こちらも古くから日本舞踊の手ほどき曲として伝わる曲です。
お扇子を開いた状態で花笠の代わりとしてお稽古していきます。
『色をふくむやふゆごもり』とセリフもあるので、恥ずかしがり屋のお子さんだとここで、はにかんだりするので子供の可愛さを感じますね。
踊りの内容は足拍子でリズムをとったり、おすべりという基本の足の使い方、歩いたり回ったりとこちらも基礎を中心に構成されています。
槍奴(やりやっこ)
日本舞踊には女踊りも男踊りも両方習うのが上達の早道だと考えています。
その為、子供のころから関の小万(せきのこまん)や羽の禿(はねのかむろ)など女の子の踊りを習ったりするのですが、男の踊りの手ほどきと言えばこの曲です。
槍を片手に踊るので男の子はこの踊りでテンションが上がること間違いなし!
今まで我慢をさせられてたぶん楽しく踊った記憶があります。
日本舞踊の手ほどきまとめ
習う順序が決まっていて、その通りにお稽古を進めていくと一通り踊れるようになるように昔からできているのでしょう。
その上で得意な踊りだったり、好きな曲だったりがそれぞれに出てくると思います。
また人の踊っている姿をみて、『あの曲習ってみたい!!』などと新しい発見があるかもしれません。
邦楽というものは洋楽やPOPS曲が一般的な現代でも聞いていると、三味線や鼓の音がとても耳に残り、心に染みてくると思います。
習い事としての日本舞踊も楽しめると思いますのでこれを機会に是非習ってみてはいかがですか?
私は日本人ならではの古典の習い事『日本舞踊』を今も昔も変わりなく今後も伝えていきます!