皆さんは小さなころ絵本や童話などは読みましたか?
私は絵本も好きでしたが、TVで放送されていた『日本昔話』がすごい好きだった思い出があります。
子供たちは童話や絵本を読むことで、社会のルールや善悪を学ぶ準備をしていくのでしょう。
日本昔話でも有名な『かちかち山』を題材にした日本舞踊作品があることを知っていますか?
内容はほとんどの日本人なら知っているこの童話。
清元の名曲『玉兎(たまうさぎ)』という作品を今回は紹介していきたいと思います。
Contents
玉兎(たまうさぎ)の歴史
解題 | 玉兎月影勝(たまうさぎつきのかげかつ) |
初演 | 1820年9月 江戸中村座初演 |
種類 | 清元 |
作詞者 | 二世桜田治助 |
作曲者 | 清沢万吉 |
振付 | 市山七十郎 |
役者 | 三世坂東三津五郎 |
『かちかち山』を題材にしてるとご紹介しましたが、正確には踊りの一部分が『かちかち山』のお話となっていて、それは後ほど詳しく説明します。
この作品は七変化舞踊『月雪花名残文台(つきゆきはななごりのぶんだい)』の一つとして月、雪、花の構成の中の月の部分を担っていました。
『月雪花名残文台』
・浪枕月浅妻(なみまくらつきのあさづま)
・玉兎月影勝(たまうさぎつきのかげかつ)
・狂乱雪空解(きょうらんゆきのそらどけ)
・猩々雪酔覚(しょうじょうゆきのよいざめ)
・寒行雪姿見(かんぎょうゆきのすがたみ)
・女扇花文箱(おんなおうぎはなのふみばこ)
・恋奴花供待(こいのやっこはなのともまち)
その他には『浅妻船(あさづまふね)』や『まかしょ』なども残っています。
月がテーマとありますが、『玉兎(たまうさぎ)』はどんな舞台面なんでしょうか?
月と言えば…次は舞台面です!
玉兎(たまうさぎ)の舞台面は?
舞台面
月と秋草などがメインの大道具になります。
演出によって異なりますが、月に玉兎の影を写し出したりします。
小道具
・うす
・きね
・銀棒
などが基本になります。
その他、流派や演出によって使う小道具が変わってきます。
衣装
衣装を着けて踊るのは子供が多いです。
もちろん大人も踊ることはありますが、写真を見ての通り腕、足をあらわにして踊るので女性が踊る場合は半素(はんす)で踊ることが多いでしょう。
半素(はんす)
玉兎(たまうさぎ)とはどういった踊り?
月のかげかつ~
衣装を着けた子供などが踊る場合は月にシルエットで兎が餅をついているように見せながら始まります。
舞台暗転後、月を蹴破ってでてくる演出もありますが、これも子供が踊る場合が多いです。
序盤は月と兎と餅つきの振りとなっており、子供が踊ると非常にカワイイ場面です。
むかしむかし~
いよいよお待ちかね『かちかち山』の場面へと変わります。
ココがポイント
日本の童話『かちかち山』を舞踊化した場面。
うさぎになって踊ったり、たぬきになって踊ったりと一人で二役演じて踊るので見ごたえがあります。
演出によっては二人踊りでうさぎとたぬきを踊る場合もあるそうです。
うさぎがたぬきの背中に火打石で火をつけた後、傷口に薬と偽ってトウガラシを塗り付ける振りもあるので話は中々残酷ですが、見ていて楽しいでしょう。
お月様~
お月様を唄った場面を踊ります。
ただ、子供が踊る場合などこの歌の部分はカットされることもあります。
『団子売り(だんごうり)』にもここの唄が使われたりするので、見慣れてくると『聞いたことある曲だ!』となるので、唄を覚えるのも楽しみの一つになるでしょう。
風に千種のはなうさぎ~
最後の散らしの場面となります。
最初と同じようにうすをころがして、きねをもって決まります。
玉兎(たまうさぎ)まとめ
いかがでしたか?
『玉兎(たまうさぎ)』は子供の手ほどき曲の一部でもあるので、割と早めに習うこともあります。
かちかち山の場面は子供でもイメージがつきやすいのか、お芝居心を学べる非常に良い作品となっています。
今日まで残っていて人気のある曲です。
初めて見る方でもかちかち山の話は、日本人であればほとんどの方が知っている童話です。
その為、非常に入りやすく日本舞踊を見やすくしてくれる作品なので見かけた際はぜひ楽しんでください。
童話の一部分が日本舞踊化している清元の名作『玉兎(たまうさぎ)』を子供たちへと伝えていきましょう!
それではまた!